Notice
2021年10月7日(金)
【医師国家試験2021】
医師国家試験問題の解説をいたします。
A12
関節リウマチの眼合併症はどれか。2つ選べ。
a 強膜炎
b 網膜炎
c 緑内障
d 眼球突出
e 虹彩毛様体炎
【正解】a e
【診断】関節リウマチ
【解説】
関節リウマチとは膠原病の一つです。
膠原病には「原因不明の全身疾患」という定義があります。
原因はまだわかっていませんが、関節を中心として異常な免疫(自己免疫)が起きます。
朝に指のこわばり、手首や、足首、肩、膝などの関節で動かしにくさを自覚します。
徐々に関節炎が進行すると、関節が変形してきます。
異常免疫が関節以外にも起こります。
貧血や発熱、体重減少などに加え、様々な臓器にも異常が出る場合があります。
肺→間質性肺炎、薬剤性肺炎、感染性肺炎(免疫抑制による)
心臓→心筋炎、
皮膚→リウマトイド結節(膝や肘に硬いしこりができる。痛みはない。)
アミロイド沈着→心臓(不整脈、心不全)、消化器(便秘、下痢)、腎臓(タンパク尿、腎不全)
そして目にも炎症が起きます。
①強膜炎→眼球の一番外側の白い膜に炎症を起こします。これはただの充血ではなく、眼内に炎症が及ぶと視力障害も引き起こします。
②角膜周辺部潰瘍→眼表面にある透明な膜が角膜です。角膜は血管が無い組織なので、自己免疫により炎症が起こる場合は血管に接している周辺部に炎症が起きます。重症例では周辺部に潰瘍が生じ薄くなり、最重症例では眼球穿孔を引き起こし失明します。
③ぶどう膜炎→虹彩と毛様体と脈絡膜の3つは連続し、ぶどう膜と呼ばれています。豊富なメラニン色素により、ぶどうのような色をしているためです。自己免疫により、このぶどう膜に炎症を起こすいわゆるぶどう膜炎をおこします。
④ドライアイ→関節リウマチは高率にシェーグレン症候群を合併します。シェーグレン症候群は自己免疫により、涙腺と唾液腺に炎症を起こし、涙液分泌減少によるドライアイ、唾液腺分泌不全による口喝や虫歯になりやすい、などを引き起こします。
治療は、ステロイドや免疫抑制剤、生物学的製剤と様々で、そこまでお話しするとさらに長くなりますので今日はこの辺にしておきます。
長文をお読みくださり、ありがとうございます。
一緒に眼科のお勉強をいたしましょう。
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