Notice
2021年10月30日(土)
【医師国家試験2021】
医師国家試験問題の解説をいたします。
B39
68 歳の男性。左肩痛を主訴に来院した。2か月前に左肩痛が出現し、増悪したため受診した。喫煙歴は 30本/日を 40年間、2年前から禁煙している。脈拍60/分、整。血圧120/88mmHg。呼吸数 16/分。胸部エックス線写真:別冊No.6 A及び胸部造影CT:別冊No.6Bを別に示す。経気管支肺生検で肺腺癌と診断された。 認める可能性が高いのはどれか。
a 左散瞳
b 顔面浮腫
c 左眼瞼下垂
d 左上肢の浮腫
e 左側の発汗増加
【正解】 c 左眼瞼下垂
【診断】 ホルネル症候群
【解説】人間には交感神経と副交感神経と2種類があって自律神経といいます。興奮した時には交感神経が働き、寝ている時などリラックスした時には副交感神経が働き、このバランスで成り立っています。
顔のあたりの交感神経は、首の骨からで出てきて肩のあたりを通り上に昇って、顔を支配します。
その通り道に何か障害があると、交感神経が抑制され様々なことが生じます。
最も有名なのは肺の上部(肺尖部)に肺癌ができて、神経を傷害することです。
①縮瞳
人間は興奮すると瞳孔が広がり、落ち着くと瞳孔が縮まります。縮瞳は副交感神経で、動眼神経の成分の一部です。
②眼瞼下垂
目を挙げる筋肉、眼瞼挙筋は交感神経により支配されているため、瞼が下がってきます。
動眼神経は目を開ける神経ですが、このホルネル症候群のときには、関係ありませんので、間違わないようにしてください。
③発汗低下
汗をかく神経は交感神経により支配されています。
厳密にいうと、通り道のどの辺に病変があるかで症状も多彩です。
ホルネル症候群は、原理で覚えると試験中に混乱してしまうので、絵で覚えるのがお勧めです。
(縮瞳して、眼瞼下垂して、顔の皮膚がカサカサしている絵)
長文をお読みくださり、ありがとうございます。
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