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医師国家試験2022(第116回)解説⑥D31

2022年11月6日(日)

【医師国家試験】2022-D31

52 歳の女性。視力低下を主訴に来院した。日前から耳鳴り、頭痛があり、昨日から両眼とも見えにくくなった。視力は右眼 0.02 (0.05×+2.5 D)、左眼 0.02 (0.06×+1.75D)、眼圧は右眼12mmHg、左眼 13mmHg である。右眼の眼底写真(別冊No.8A)、蛍光眼底造影写真(別冊No.8B)および黄斑部の光干渉断層計(OCT像)(別冊No.8C)を別に示す。左眼も同様の所見であった。

確定診断に有用な検査はどれか。

a 針反応

b 脳脊髄液検査

c パッチテスト

d ツベルクリン反応

e 胸部エックス線検査

 

【正解】b

 

【診断】Vogt(フォークト)-小柳-原田病

 

【解説】

日光を浴びると日焼けをする色素、メラニンを作る細胞がメラノサイトです。

メラノサイトに対する自己免疫疾患、それが原田病です。

 

メラノサイトはぶどう膜(虹彩、毛様体、脈絡膜)に存在しぶどう膜炎を引き起こします。

他にメラノサイトは毛根に存在し白髪や脱毛を、皮膚に存在し白斑を、内耳に存在し耳鳴りや感音性難聴を、髄膜に存在し髄膜炎から頭痛を引き起こします。

この髄膜炎は自己免疫による炎症ですので、髄液検査をすると単核球優位の無菌性髄膜炎がみられ、これが確定診断となります。

 

治療はステロイド大量療法により免疫を抑える必要があり、通常は入院して治療をします。

ちなみにこの疾患にでてくる名前、小柳先生は東北大学眼科の初代教授です。

東北大生はこの疾患を間違えてはいけません。

 

#医師国家試験 #国家試験 #医学生 #フォークト小柳原田病

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