Notice
2022年10月30日(日)
【医師国家試験】2022-D26
39 歳の男性。複視を主訴に来院した。長時間のトラック運転中に、センターラインが二重に見えることがある。視力は両眼ともに裸眼で 1.2 であり、前眼部、眼底に異常を認めない。ペンライトと遮閉板を用いて遮閉試験を行ったところ、図のような右眼の動きがみられた。左眼も遮閉により同様の動きを示し た。病態の説明として正しいのはどれか。
a 遠視に起因する。
b 頭蓋内病変が原因である。
c 動眼神経麻痺を伴っている。
d 間欠性外斜視に認められる。
e 遮閉時に内向きの眼位ずれがある。
【正解】d 間欠性外斜視に認められる。
【診断】間欠性外斜視
【解説】目が外側に寄ることを外斜視、目が内側に寄ることを内斜視といいます。
斜視には左右はありません。
右目が外側によって左目はまっすぐ見ている状態は、左眼優位の外斜視といいます。
実は皆、ほんの少しは目の位置がずれています。
それを筋肉がまっすぐ(正位)にしています。
それは左右どちらかをカバーすると分かります。
色のついたガラスでカバーすると分かりやすいです。
もしくは手でカバーして、さっとはずしたときの目の動きをみると分かります。
この症例では普段は問題ないのですが、長時間の運転などで筋肉が疲弊したとき複視症状があります。
遮蔽試験では、右眼にカバーをあてて、さっと外した瞬間右眼は外側をみています。
実はこの人は外斜視があり、普段筋肉ががんばって正位を保っている間歇性外斜視なのです。
症状がつらいときには、斜視用の眼鏡(プリズムレンズ)や斜視の手術を行います。
長文をお読みくださりありがとうございます。
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