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医師国家試験2022(第116回)解説⑤D26

2022年10月30日(日)

【医師国家試験】2022-D26

39 歳の男性。複視を主訴に来院した。長時間のトラック運転中に、センターラインが二重に見えることがある。視力は両眼ともに裸眼で 1.2 であり、前眼部、眼底に異常を認めない。ペンライトと遮閉板を用いて遮閉試験を行ったところ、図のような右眼の動きがみられた。左眼も遮閉により同様の動きを示し た。病態の説明として正しいのはどれか。

a 遠視に起因する。

b 頭蓋内病変が原因である。

c 動眼神経麻痺を伴っている。

d 間欠性外斜視に認められる。

e 遮閉時に内向きの眼位ずれがある。

 

【正解】d 間欠性外斜視に認められる。

 

【診断】間欠性外斜視

 

【解説】目が外側に寄ることを外斜視、目が内側に寄ることを内斜視といいます。

斜視には左右はありません。

右目が外側によって左目はまっすぐ見ている状態は、左眼優位の外斜視といいます。

 

実は皆、ほんの少しは目の位置がずれています。

それを筋肉がまっすぐ(正位)にしています。

それは左右どちらかをカバーすると分かります。

色のついたガラスでカバーすると分かりやすいです。

もしくは手でカバーして、さっとはずしたときの目の動きをみると分かります。

 

この症例では普段は問題ないのですが、長時間の運転などで筋肉が疲弊したとき複視症状があります。

遮蔽試験では、右眼にカバーをあてて、さっと外した瞬間右眼は外側をみています。

実はこの人は外斜視があり、普段筋肉ががんばって正位を保っている間歇性外斜視なのです。

症状がつらいときには、斜視用の眼鏡(プリズムレンズ)や斜視の手術を行います。

 

長文をお読みくださりありがとうございます。

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