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医師国家試験2022(第116回)解説④C27

2022年10月30日(日)

【医師国家試験】2022-C27

夜盲を訴える患者の診断に有用な検査はどれか。2つ選べ。

a 隅角検査

b 視野検査

c 網膜電図

d 角膜知覚検査

e Hess赤緑試験

 

【正解】b, c

 

【診断】網膜色素変性症など

 

【解説】網膜色素変性症は原因不明で、網膜色素上皮が変性してしまう病気です。

遺伝するタイプも遺伝しないタイプのあります。

様々なタイプがあり一概には言えませんが、典型例のお話をします。

網膜には中央部に色を感じる錐体細胞があり、これが視力を司っています。

周辺部には光を感じる桿体細胞があり、網膜色素変性ではこれが障害されてきます。

 

検査としては、網膜電図(ERG)が有用です。

暗い部屋にしばらく慣らした後に目に強い光をあてると、網膜の反応がみてとれます。

網膜色素変性症の場合ではこの反応がほとんどありません。

 

周辺の細胞が障害されるのですが、中心の錐体細胞は比較的保たれるために視力はおちません。

視野検査をすると周辺が障害され中心だけが残ります(求心性視野狭窄)。

もしくは周辺に孤立した視野がわずかに残ります(輪状暗点)。

 

治療法はまだ確立していません。

サングラスで有害光線を抑えること、ビタミン剤の内服をすることで何とか進行を遅らせる治療をしますが、進行を完全に止めることはできていません。

網膜色素変性は治療法がないからと眼科通院しない人もいますが、白内障や黄斑浮腫など眼に様々な合併症を引き起こすため、眼科への定期通院をお勧めいたします。

 

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