Notice
2021年10月23日(日)
【医師国家試験】2022-B32
78 歳の女性。左側が見えにくいことを主訴に来院した。本日、朝食時に左側にある味噌汁に気づかず、手をぶつけてこぼした。その後、部屋の戸口に左肩をぶつけた。高血圧症と心房細動で内服加療中である。意識は清明。体温 36.5℃。脈拍 80/分、不整。血圧154/94mmHg。呼吸数 16/分。SpO296 %:room air 対座法 で左視野障害を認める。四肢の明らかな麻痺は認めない。血液所見:赤血球 452万、Hb13.1 g/dL、Ht41 %、白 血球 8,000、血 小板 20万、PT-INR1.0 :基 準 0.9〜1.1血液生化学所見:尿素窒素 15mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、血 糖 102mg/dL、Na139 mEq/L、K3.8 mEq/L、Cl99 mEq/L。障害部位はどこか。
a 視交叉
b 右視神経
c 左視神経
d 右後頭葉
e 左後頭葉
【正解】d 右後頭葉
【診断】脳梗塞
【解説】眼球と脳は視神経によってつながっています。
視神経は視交叉というところで交差して脳の後ろ側、後頭葉につながります。
人は脳の後ろ側で、ものをみています。面白いですよね。
眼球の外側の繊維はそのまま後頭葉につながり、眼球の内側の繊維は視交叉をとおり反対側の後頭葉につながってます。
その通り道のどの部分が障害されるかで、症状が違います。
なかなか文字で説明するのは難しいので、必ず絵を描いて考えましょう。
試験だけではなく、実際の臨床の現場でも、おちついて絵を描くことがとても大事です。
右の後頭葉に脳梗塞を起こすと、右眼の左半分と左眼の左半分が見えなくなります。
全体で左半分がみえなくなり、左半盲を起こします。
長文をお読みくださりありがとうございます。
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