Notice
2021年10月23日(日)
【医師国家試験】2022-A3
中心性漿液性脈絡網膜症について誤っているのはどれか。
a 夜盲を自覚する。
b 変視症を自覚する。
c 自然治癒することが多い。
d 蛍光眼底造影が有用である。
e 光干渉断層計(OCT)が有用である。
【正解】a
【診断】中心性漿液性脈絡網膜症
【解説】
光を受け取る目の奥は、網膜と脈絡膜と強膜の3層構造になっています。
原因不明で、網膜と脈絡膜の間に水が溜まってくる(漿液性網膜剥離)病気があります。
それが中心性漿液性網脈絡膜症です。
OCT (光干渉断層計)という網膜を映し出す検査で、漿液性網膜剥離を見て取れます。
働き盛りの中年男性に多く、ストレスが原因とも言われています。
実際に仕事がとても忙しいと、責任感の強い人が多いです。
病は気からと言いますが、まさにそういう疾患の一つです。
症状としては視力低下、歪んで見える(歪視)、網膜が少し前の方にくるため少し遠視になります。
治療としては多くは経過観察で良くなります。
改善の無い場合は、水の漏出点を蛍光眼底造影検査で同定し、その部分にレーザーをあてます。
しかし漏出点がど真ん中だと、レーザーをすることができない場合もあります。
ストレスの軽減で治療効果のある場合があります。
一度思い切って仕事を休んでみると改善してくる場合もあります。
しかし現代社会においてストレスフリーというのは、現実的には不可能ですよね。
最近は脈絡膜が腫れてくる疾患、パキコロイド症候群というのが提唱されています。
この中心性漿液性網脈絡膜症から、年齢を重ねると加齢黄斑変性に移行してしていく症例が多くいます。
そういった一連の疾患ではないかと言われていて、これからの進歩、解明が待たれます。
ちなみに(a)夜盲(暗いところで見えない)を起こす疾患は、網膜色素変性が有名です。
長文をお読みくださり、ありがとうございます。
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